【リード】
毎日忙しく、やるべきことが山積み……。
そんな中でも無理せず、効率的に目標を達成する方法があればどれほど助かるでしょうか?
目標達成には『気合や根性論』は不要で、重要なのは『科学的な技術』です。
永谷研一さんは、15,000人以上のデータを基に、行動科学と認知心理学の知見を活かし、誰でも実践できる技術を教えてくれます。
この本を通じて、精神論ではなく具体的な方法を学び、可能性を広げる第一歩を踏み出せるでしょう。
本書を読み終えたころには、目標達成のアプローチが劇的に変わり、望む結果に向けて着実に進んでいる自分に気づくはずです。
【著者紹介】
永谷研一さんは、行動科学と認知心理学のエキスパートで、15,000人以上のデータを分析し、目標達成のための実践的なメソッドを開発してきました。彼の方法は、企業の人材育成や教育の現場でも実績があり、信頼性の高いものです。
【本文】
目標を確実に達成するためにはPDCAサイクルを回せとよく言いますよね。
以下の4つがPDCAサイクルです。
P(Plan)→行動計画を立てる
D(Do)→行動を実践する
C(Check)→達成度を検証する
A(Action)→行動計画を改善する
例えば「1年後にTOEICで900点を取る」という目標を立てた人がいたとします。
これををPDCAサイクルに当てはめると
P(Plan)→毎日参考書で勉強する計画を立てる
D(Do)→毎日参考書で勉強する
C(Check)→テストを受けた結果、リスニング力が弱いことがわかった
A(Action)→「リスニング教材を聴く量を増やす」という新しい計画を立てる
ただ、PDCAサイクルは1人で回そうとしてもなかなか続きません。
なぜなら1人だとモチベーションが保てずに、どんどん先延ばしにしてしまい、気がついた頃には忘れてしまうからです。
思い当たる方もいるのではないでしょうか?
そこでおすすめしたいのが「PDCFAサイクル」です。
「PDCFAサイクル」は単に行動計画を立てて実行するだけではなく、『人と協力しながら学び合い、フィードバックを得ながら進める』理論です。
以下の5つが「PDCFAサイクル」です。
P(Plan)→行動計画を立てる
D(Do)→行動を実践する
C(Check)→達成度を検証する
F(Feedback)→フィードバックを得る
A(Action)→行動計画を改善する
先ほどの「PDCAサイクル」にF(フィードバック)が加わったものが「PDCFAサイクル」です。
フィードバックとは周囲からの自分への反応や評価のことです。
周囲との関係性を活かし、お互いに良い影響を与え合うことを指します。
このフィードバックを得ることが、目標をラクに達成できるかどうかのカギになります。
目標が達成できずに挫折する理由は、ダイエットの失敗例に隠されています。
ダイエットの失敗理由を夫婦の会話で例えると、次のようになります。
【失敗その1】本当にやせたいと思っていないから
夫「最近お腹が出てきたなー」
妻「口だけで今回もやらないんでしょ?」
夫「そんなことはないよ。今回はやるよ」
妻「じゃあいつまでに何キロ減らすの?」
夫「……」
身に覚えのある方もいるのではないでしょうか。
ダイエットが上手くいくかは「本気かどうか」にかかっています。
自分は必ずこれを達成したい!と強く思える目標が必要なのです。
本気の人は、「具体的な数値」と「期限」を設定します。
そうしないと「何をすればいいのか」が分からなくなるからです。
具体的には
①1ヶ月で体重を2キロ減らす
②3ヶ月で腹囲を5センチ細くする
などです。
スーパーで買い物をする時にも、いつ何を買うかをはっきりさせてから、行きますよね。
それと同じです。
これがないと単なる「願いごと」にしかなりません。
【結論】ダイエットが上手くいかなかったのは、目標が曖昧だったからです。
ダイエットを成功させるためには、明確な「目標を立てる技術」 が必要です。
つまり目標を達成するためには、「具体的な数値」と「期限」を設定する必要がある、ということです。
【失敗その2】続かない要素がたくさんあるから
「毎日◯◯する」という目標を立てても、続かない場合がほとんどですよね。
結果を出すためには、継続が必須です。
継続するためには最初は特にハードルを下げる必要があります。
最初から難易度が高い行動をしようとした人のほとんどが、途中でやめてしまうからです。
そこでおすすめなのが『ついでにやる』という考え方です。
例えば、お風呂に入るタイミングで『ついでに』体重を測る。
2つをセットにする事で、忘れずに習慣化しやすくなります。
⇨これは実際にやってみるとびっくりするくらい習慣化しやすくなります!
まず簡単なことから始めて、それを続けることができたら、次のステップに進めばよいのです。
⇨見栄を張ってつい高めの目標を設定しがちですが挫折しやすくなるから、よくなかったんですね。
「◯◯しない」というネガティブな行動を「◯◯する」というポジティブな行動に変えると、継続が簡単になります。
行動科学の世界でも「人間は気持ちのいいことを継続する」ことがはっきりわかっているからです。
⇨「絶対に〜しない」と考え続けるとその光景が頭の中に刷り込まれてしまい、かえって実現しやすくなります。結果的にミスをしないためにはどうすればいいか。ネガティブなことを「◯◯する」というポジティブな言葉にすればオッケーです。
【結論】ダイエットを継続するためには「行動を続ける」技術 が必要です。そのためのポイントが2つあります。
①継続するためにはできるだけハードルを下げるのが大事です。そのためには「ついでに」やる。
②「ネガティブ」な行動を「ポジティブ」な行動に変えると継続しやすくなります。
【失敗その3】深く考えていないから
ダイエットを続けていると、必ず壁にぶつかります。これ自体は自然なことです。
では何が大事か。
それは「うまくいかなかった理由」をはっきりさせることです。
よい仕事をする人は、簡単にできてしまった場合でも「なぜうまくいったのか?」を分析して、よりよいやり方を見つけます。
その都度、分析するクセのある人はこうして簡単に壁を乗り越えてしまいます。
振り返りをしないと同じミスを繰り返してしまい、挫折する確率が上がります。
【結論】問題をクリアするためには「経験を振り返る」技術 が必要。
【失敗その4】たった一人で黙々とやるから
たった一人で黙々と実行しても、モチベーションが維持できません。
それに誰にも見られていないと、こっそり辞めてしまっても誰にも咎められません。
これでは続かないのは当然です。
常に目標達成できてしまう人は、周りを巻き込むのがとても上手です。
例えば体重の記録をグラフ化して、家の中の目立つ所に貼り出すのはどうでしょう。
自分の状況を周囲にどんどん伝えて、意見をもらうのです。
周囲から突っ込まれてしまう環境を自分で作り出す。
そして他者から少しでも多くを学ぼうとするわけです。
予想もしなかった突っ込まれ方をする事ももちろんあると思います。
そうする事で初めて見えてくる景色がたくさんあります。
これが本書の核となる「PDCFAサイクル」のひとつであるF(フィードバック)です。
【結論】
1人で黙々と作業をしても、続かない場合がほとんどです。
他者からのフィードバックを得て、楽しみながら目標達成を狙います。
つまり「人と学び合う」技術 が必要です。
[失敗その5]どうありたいかが見えていないから
ダイエットを成功させるために多くの人は
①毎朝5キロ走る
②糖質を制限する
などいろんな行動を実践しようとします。
行動することは悪いことではありません。ただうっかりすると、その行動自体が目的になってしまい、目標を見失いがちです。
いまいち効果の感じられない行動は、どんどん簡単なものに変えてしまうのがおすすめです。
そうして試行錯誤を繰り返して、ベストの目標を見つけてしまえばいいのです。
最初から完璧にできる人なんていません。
先ほどのある夫婦の会話で例えると
妻「ダイエットどうだったの?」
夫「5キロ減量した。うまくいったよ」
妻「へー頑張ったね。それで、次の目標は?」
夫「ん?次?えーと…」
妻「もしかしてないの?じゃあ何のために痩せたの?」
夫「それは、ほら、アレだよ。…家族のためだよ!」
妻「あら、嬉しい。」
夫「いつまでも健康でいたいからね!」
ダイエットを頑張った本当の理由は、痩せたかったからではなく、健康になって家族との幸せな時間を過ごしたかったからかもしれないですね。
他にも
・好きな異性に振り向いてもらいたいから
・ダイエットに成功して健康になりたいから
など様々な理由があります。
このようにダイエットも人によって目標が違うことが多々あります。
自分が日頃からできたことを見て、小さな達成感を感じることで、次の行動への重要なモチベーションになります。
そのためには自分にとって何が喜びなのかを確認しながら、自分にとっての軸でありたい姿を確認します。
後は試行錯誤を繰り返す事で「理想の自分」に近づいていきます。
⇨うまくいかなければ、何度でも繰り返す。
当たり前だけど大事ですね。
【結論】目標を見失う事なく、自分にとっての理想が何なのかを導き出すための「自分の軸を見出す」技術が必要です。
【まとめ】
冒頭でも述べた通り、目標達成には『気合や根性論』は不要で、重要なのは『科学的な技術』です。
目標達成に特別な能力は必要ありません。
やり方を知っているかどうか。
これだけです。
そこで本書で登場した「PDCFAサイクル」が強力な武器になります。
「PDCFAサイクル」は単に行動計画を立てて実行するだけではなく、『人と協力しながら学び合い、フィードバックを得ながら進める』理論でした。
以下の5つが「PDCFAサイクル」です。
P(Plan)→行動計画を立てる
D(Do)→行動を実践する
C(Check)→達成度を検証する
F(Feedback)→フィードバックを得る
A(Action)→行動計画を改善する
5つの技術をマスターする事で以下の2つが得られます。
①自分の使命に気づくこと。
②自分らしく生き生きと働く人生を手に入れること。
目標達成を繰り返して、周囲の期待に応え続けると「価値観」と「社会的な役割」がピタリとつながる瞬間が訪れます。これが『使命』です。
そして「ラクして達成する技術を習得し、使いこなす事で『幸せ』になって欲しい」
これが著者の永谷研一さんの願いです。
「PDCFAサイクル」を愚直に実行し続けると、自分の思い通りの人生になっている事に気がつくはずです。
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